世界一簡潔に本を紹介

世界一簡潔に本を紹介します。毎日18時投稿!

ブロックチェーン 相互不信が実現する新しいセキュリティ

  • ブロックチェーンによるイノベーションとは、管理者が存在せず、参加者すべてが敵同士であっても処理の透明性を確保し、データ改ざんが行われにくいデータベースを実現したこと
  • ブロックチェーンを活用した仮想通貨のことを「暗号資産」と呼ぶ。暗号資産には「ハッシュ」と「公開鍵暗号」という暗号技術が不可欠
  • ブロックチェーンは、管理者がいる通常のシステムと比べると非常に処理効率が悪い。社会に浸透していくには、さまざまな改善を重ねていく必要がある

本書ではブロックチェーンがなぜ革新的なのかを技術的に説明している。KENの所感だが、来たる量子コンピュータが来たとしてもブロックチェーンの技術の改ざんは用意ではない。(量子コンピュータが多量に安価に手に入れれるようになったら違うと思うが)

本書を一読し、全業種に影響を与えているブロックチェーンに触れてみてはいかがでしょうか。

ホモ・デウス(下) テクノロジーとサピエンスの未来

  • 人間至上主義は「自由主義」「社会主義」「進化論的な人間至上主義」の3宗派に分かれ争い、自由主義が優勢である。
  • 自由主義が優勢なのは、科学やテクノロジーともっとも相性がよいからだ。
  • しかしロボットとコンピュータの発展により自由主義が崩壊するかもしれない。
  • 自由主義の崩壊後、新しく生まれる可能性のあるのが「テクノ人間至上主義」と「データ教」だ。
  • テクノ人間至上主義では発達したアルゴリズムに対応するためにホモ・デウス(神のヒト)を生み出すことに傾倒する。
  • データ教において人間に課せられる役割は、すべてのモノ(情報)をインターネットに接続することである。

上下巻を通じて著者の意図は少しでも伝わりましたでしょうか。本書ではより説得力のある説明がされていますので、ぜひ一読下さい。

ホモ・デウス(上) テクノロジーとサピエンスの未来

  • 人類は飢饉、疾病、戦争という問題を解決しつつある
  • 人類の新たな目標はホモ・サピエンスをホモ・デウス(神のヒト)へアップグレードすること
  • 農業革命が有神論の宗教を生み出したのに対して、科学革命が生み出したのは人間至上主義という宗教である
  • いまのところ科学と人間至上主義は両輪となって、現代社会を構築している。しかし今後、ポスト人間至上主義が生まれるかもしれない

本書はイスラエルの有名な学者が書いた名著である。日本人にとっては宗教的な表現が目立つかもしれないが、これから来たる未来を予測しており学ぶことが多い。

本書を一読し、来たるべき未来に思考を巡らせてみてはいかがでしょうか。

※本書は上下巻であり、下巻のまとめは翌日に投稿いたします。

 

Unlearn(アンラーン)人生100年時代の新しい「学び」

  • アンラーンとは、これまでに学んだ知識や身につけた技術を振り返り、さらなる学びや成長につながる形に整理し直すことで、長いスパンで活躍し続けられるようになるための方法である。(un(否定)+learn(学び))
  • 人間は周囲の環境に適応するために、思考をパターン化してしまう。思考を固定化し過ぎると変化に対応できなくなるため、定期的に整理して自分のクセを見直す必要がある。
  • ルーチンやパターンを意識化して、本当に必要かどうか見直し、これまでとは違うことに積極的に挑戦したり、自分との違いが大きい人と接したりして、パターンを抜け出すことが大切だ。

昨今は老害というワードを頻繫に目にするようになった。アンラーンが出来ていないことが主な原因と考えられる。本書を一読し、自身の常識を見直してみてはいかがでしょうか。

ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」

  • ロシアのウクライナ侵攻は、世界に2つの衝撃をもたらした。ひとつは軍事侵攻に踏み切ったということであり、もうひとつはロシア軍の弱さだった。
  • ロシアの行動の根底には、「恐怖心」と「トラウマ」がある。いわばロシアは「おびえる国家」「被害者意識に囚われた国家」である。
  • 中国による台湾侵攻も「起きるかどうか」ではなく「いつ起きるか」の問題と見られている。
  • 日本は最悪のシナリオを想定して備えつつ、最大限の外交努力を行う必要がある。

本書はまだ終わっていないウクライナ戦争を西側目線で詳細に説明している。本書を一読し、戦争の是非を再考してみてはいかがでしょうか。

テクノロジーの地政学 シリコンバレー vs 中国、新時代の覇者たち

  • 世界の産業地図は、シリコンバレーと中国がつくり出す「ソフトウェア経済圏」によって大きく書き換えられようとしている。
  • 中国は米企業に従事している中国系研究者を引き抜く、「逆輸入」を国家戦略としている。
  • 日本企業がソフトウェア経済圏に乗り遅れないように、シリコンバレー・中国の企業の最新動向を知り、両者との連携を探ることが重要だ。

2018年出版の本書であるが、いまだシリコンバレーvs中国の構図は変わっていない。本書を一読し、世界規模でのIT戦略を学んでみてはいかがでしょうか。

サッカーマティクス 数学が解明する強豪チーム「勝利の方程式」

  • パスのネットワーク、攻撃の幾何学的構造、選手の動きの流れ、さまざまなパターンが発生するサッカーは数学的なスポーツといえる。
  • ゴールとはチームが築く「構造」の結果だ。(例:常に三角形を構成するバルセロナ)
  • 自分の役割に専念し互いの動きを同期させることで、チーム全体のパフォーマンスは部分の総和を上回る。(例:何度もジャイアントキリングしたディナモ・キエフ)

サッカーは個人でなく、全体の時代である。本書ではサッカーの歴史から数学的な理論と幅広く説明している。本書を一読し、スポーツ×理論の最前線を学んでみてはいかがでしょうか。

最強マフィアの仕事術

  • マフィアの成功者の共通項が一つあるとすれば、ハードワーク(努力)である。
  • 誰を仲間にするかが重要であり、3点を確認すべき。(1)「誠実」であるか、(2)「有能」であるか、(3)「頼りになる」か
  • 客観的にアドバイスできる「相談役」を身近に置け
  •  マフィアの正式な交渉の場「シットダウン」では次のことを心掛けるべきだ。(1)銃に弾をこめておけ (2)口ではなく頭を先に使え (3)自分のエゴを捨てよ。相手のエゴを利用せよ (4)弱気になっているときほど、弱気を見せるな (5)感情を持ち込むな。つねに相手に敬意を払え

マフィアは死を伴った競争社会である。本書を一読し、マフィア流の仕事の極意を学んでみてはいかがでしょうか。

iPS細胞物語

  • iPS細胞は4つの遺伝子を導入して作られた細胞で、一度分化した細胞が多能性を獲得し、ほぼ無限に増殖できるようになったものである。
  • 再生医療にはこれまで、ES細胞と体性幹細胞が使われてきたが、iPS細胞はそれらがもつ技術面の課題や倫理面の課題をクリアできる。
  • iPS細胞の実用化にむけて、日本では文科省経産省厚労省がそれぞれ研究費を投じているが、総額はアメリカの10分の1程度である。※2009年のデータ

本書は2010年出版であり手を取る機会は少ないかもしれない。上記を前提知識として、10年でiPS細胞がどれだけ活用されたかを見てみてはいかがでしょうか。

フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

  • ノイマンは10歳で大学レベルの数学を理解した「神童」
  • ノイマンは「ゲーム理論創始者」であり様々な分野で偉業を成し遂げている。
  • ノイマンの思想を支えるのは、「科学優先主義」、「非人道主義」、「虚無主義」である。
  • ノイマン原子爆弾を開発。多くの科学者と違い、その使用もためらわなかった。ノイマンが主張したのは京都への投下である。これが「日本の戦意を完全に喪失させ、早期に終戦させる」という目的のための最良の手段だと信じていたからだ。

その後も水爆の開発など精力的に行っており、被爆国の日本としては知っておくべき知識である。本書を一読し、「ノイマンの哲学」の是非を考えてみてはいかがでしょうか。